アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプの勝利が決まったとき、「関税や防衛費に関する取引は、財務長官や商務長官任せにせず、大統領自らがやる。特に日韓には」との識者の見立てを聞いた。赤沢経済安保相が関税交渉に出かけ、トランプが交渉の場に出てきたのは、「さもありなん」という印象。

日本人は「トランプはとんでもない」と言うけれど、来年の中間選挙を見据え、何が国益になり共和党や自分の利益になるか良く知っている。「トランプが出てくるぞ」と驚く官邸のほうがおかしい。

まあ会談内容は結果オーライだけど、財務長官のベッセントは事前にSNSで予告してたし、トランプを怒らせる結果になっていたら、石破さんが謝るだけじゃ済まないところだった。

トランプとしては日本側と最初に会い、「他の国も交渉に来るなら悪いようにはしねえ」とメッセージを発する狙いと、株価暴落や国内の反発への焦りがあったのだろう。(出典:ホワイトハウス)

石破さんにすれば、トランプが引っ掻き回してくれるおかげで「退陣論」が下火になり、「国内で総理を変えている場合じゃない」という空気になったことは数少ない好材料か…。

この写真は、おととい、官邸に自民・森山幹事長と小野寺政調会長が入るときのもの。メディアの世論調査を受け、この場で補正予算編成の可能性が消え、現金給付案もほぼ潰えた。

まだ、公明党は消費税減税などにこだわっていて、7月の参院選で改選組の自民党議員からも「手ぶらでは戦えない」との不満もくすぶる。それゆえにトランプ効果で寿命が延びた石破さんも安泰じゃない。ラジオ番組では大変お世話になった方で良い人なんだけど、もういいんじゃない? この顔は。
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