ここが変だよ、G20とジャニーズ報道

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 習近平とプーチンが欠席したインドでのG20首脳会議。欠席した2人の首脳に着目した記事が多いが、出席者に目を向ければ、議長役のモディ首相のしたたかさが際立った会議だった。ウクライナ問題に切り込まない「首脳宣言」を各国への根回しなく採択したのは、インドが軍事面でロシアと密な関係があることと、「世界はグローバルサウスで仕切る」という思いの表れ。

 アメリカのバイデンも老獪さが光った。首脳会議初日にモディやブラジルのルカらと笑顔で記念撮影。「アメリカはちゃんとグローバルサウス諸国と連携しているよ」と、中ロにメッセージを送ったのと同じ。習近平らが欠席する間隙を縫って、「世界の盟主はアメリカ」とアピールしたわけ。

 一方の岸田さんは内閣改造と自民党役員人事を控える。裏情報では、森喜朗さんが「これで解散できるねという顔ぶれにしなさい」と助言したそうだが、解散を意識した攻めの布陣ではなく、来年秋の総裁選挙を無風で乗り切ろうという守りの顔ぶれになりそう。それが岸田さんの現在地ってこと。

 もっと気に食わないのがジャニーズをめぐる報道。放送局も、資本が入っている日刊スポーツなどの紙媒体も、過剰に忖度し続けてきたことへの反省が欠如。私も「男闘呼組」の番組を担当した時期があるけど、うちも他局もジャニー氏の性癖を表沙汰にはできず、事務所の顔色を窺う日々だった。

 ワイドショーでコメントする著名なタレントたちはもっとひどい。我々メディアより内情に詳しかっただろうに、「共演NG」などを恐れて表面化させなかったことを棚に上げている。ジャニー氏が存命なら今もタブーだったはず。もっとも、マスメディアも芸能界も、これまで「男が男に悪戯したってどうってことない」とタカをくくってきた古い体質があるので、まずそこから反省すべき。

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